そしてエリクソンのセッションを最も特徴づけるクライアントによって異なるやり方が世の中の全ての心理療法には理論があります。
フロイト、ユング、そしてアドラーも自分達の理論を持ち、そしてそれを自分のセッションに持ち込みます。
エリクソンは、フロイト、ユング、アドラーたちの理論に縛られたやり方を鋭く批判をしました。
理論によってクライアントを縛るのではなく、クライアントによって理論を変えよ。そう主張したのです。だから、エリクソンは自分の考えを本にすることはありませんでした。
限られた弟子たち…エリクソンが信頼して、「この人なら」と言う人にしか真髄を伝えなかった。
そして、真髄を伝えられた人にも、体系化された理論を指導したのではなく、彼らが自分自身でクライアントのためになる方法を編み出せるように方向付けたのです。
だから今もザイク博士は、僕に何かを教えようとはしません。
教える代わりに僕の中に何かが喚起されるようストーリーや引用、さまざまな暗示を通して
コミュニケートするのです。相手によって変えるやり方。これを『テーラリング』と呼びます。
ザイク博士は『テーラリングこそ命』といいます。
相手をこちらに合わせるのではなく、こちらが相手の世界に合わせる。
これ、わかっているようでわからない。
できるようでできない。
ラポールとは全く別物。
寄り添うと言う精神論とも違う。
ここがセッションの技術的な肝になります。